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またまた、シン・ゴジラを観てしまいました(IMAXで) [映画]

台風10号の動きが実に不気味で、その影響もあってか、この週末は雨勝ちの肌寒い日となりました。

そんなお天気だから、というわけではもちろんないのですが、先日観た「シン・ゴジラ」をどうしてももう一度観たくて仕方がなくなり、連れ合いを口説き落として「夫婦割引(50歳以上)」を利用し、またまた出かけてしまいました。
singozzira.jpg

連れ合いにとって映画とは「楽しいもの」「美しいもの」を描き出す世界であり、残酷だったり凄惨だったり悲惨だったりするのは耐えられない!とのことで、最初は渋っていたのですが、この映画には最後に希望がある!と熱弁し、付き合わせたのです。

夫婦割引は二人で2000円。早速、ネットで予約を申し込むと、この週末からIMAXによる再上映が始まるとのこと。
追加料金は一人500円ですし、IMAXは初体験なので、躊躇することなくこちらを選びました。

もう一度観たくなった一番大きな私としての理由は、野村萬斎さんのゴジラ役。
そう思いながら観ると、血液凝固剤を経口投入されて動きを止めたゴジラの姿が何とも悲劇的に感ぜられました。
「ゴジラがかわいそうで涙が出た」というのが連れ合いの感想ですが、正に同感です。
ビキニ岩礁での水爆実験を皮切りに、核廃棄物の無秩序な海洋投棄がゴジラを生み出した要因とするのであれば、そのsin「罪」は正に人間に科せられるべきであり、人間の欲望によって生み出され人間の都合によって「駆除」されようとするゴジラは、正にその「罪」を具現化した存在なのでしょう。
「ゴジラは脅威であり、かつ希望(完全無欠な進化の可能性としての)であるのかもしれない」というセリフには、その意味での深遠なる想いが込められています。

口と尻尾の先と背びれから紫色に光る熱線を放出し、東京を破壊するゴジラの姿。
それは米軍による空爆を受けての反撃なのですが、その悲劇的かつ絶望的な攻撃が展開される夜のシーンの美しさは、IMAXの画面の描写力とも相俟って筆舌に尽くしがたいものでした。

この「シン・ゴジラ」、やはりかなりヒットしている模様ですね。
私どもが観に行った時も当然のように満席でしたし、報道でもその人気の度合いが伝わってきます。
かなりの数のレビューがネットにも掲載されていましたが、次の松江哲明さん(映画監督)のレビューは殊に納得ものでした。

松江哲明の『シン・ゴジラ』評:90年代末の“世界認識がグラグラする”映画を思い出した

また、ヤシオリ作戦の重要なキーマンでもある環境省自然環境局野生生物課の課長補佐役を演じた市川実日子さんの演技も、演技なのかドキュメンタリーなのかわからないほどの迫真力を放出させました。
その市川実日子さんをめぐる次の記事も納得です。

「シン・ゴジラ」市川実日子さん、最後のセリフに込めた複雑な思い 脇役ヒロミ人気に「TV見てる感じ…」

この役作りのための葛藤も含め、なんというかものすごい「役者魂」を感じてしまいました。

東日本大震災を体験する前と後とでは、こういう破壊によるカタストロフを描いた映画や創造作品に対する観客の感受性はかなり異なったものになっているような気がします。
前の記事でも書きましたが、私はこの映画をいわゆる怪獣映画とはどうしても感得することができませんでした。
ある意味での生々しさや切迫感があり、どこか他人事のように破壊場面を享楽的に見ていた従来の怪獣映画の破壊シーンとは決定的に違うものを感じたのです。
この映画では、愚昧かつ硬直化した行政機構や米国の属国としてしか存続できない「日本」の現状に対して、なんとその硬直化した行政機構の縦割りを無視して集まった「はみ出し者」たちが奇跡のような打開策を成功させるといった、一つの希望も描いています。
しかしその果敢な行動を実現するため、米国の許可を得たり安保理各国間の思惑を図りつつフランスを動かしたりして、熱核攻撃の「政治的な」延長工作を実施したりする場面も抜け目なく挿入されています。

動きを止めたゴジラ。
いうまでもなくこれは「解決」なのではなく、これからの新たな脅威や恐怖の始まりを描いているのではないでしょうか。
連れ合いには「最後に希望がある」などといって連れ出しておきながら、改めて観て、単なるストレートな感動だけでは終わらない「深さ」を感じてしまったわけです。

さて、二度も観に行った、ということもあり、前回では疑問に残ったいくつかの部分も自分なりに解決ができ、さらに新たな疑問や問題点なども生じています。
少なくとも、久しぶりに「もう一度劇場で観たい!」と思わせる映画であったこと、そして、もう一度観て、やはり無類の面白さであったことだけは間違いありません。
そういえば、前回観終わった後、ちょうど昼過ぎに時間帯でしたから、たまには外食をしようと思い、ラーメンを食べたのですが、今回もう一度見て、その理由がわかりました。
平泉成さんが、長引いた打ち合わせの後で、注文したラーメンを食べるとき、「あああ、伸びちゃったよ」とつぶやく。
このシーンが、里見臨時代理の人となりを如実に表しているような気がして、なんだかほっこりしたのですが、そのシーンが印象深くて、ラーメンが無性に食べたくなったのでした。
ということで、帰り道、連れ合いと二人でラーメン屋に入り、映画の感想を語り合うとともに、そんな話で盛り上がったところです。

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コメント 11

tochimochi

米軍の攻撃を受けてゴジラが東京を破壊する、映画とは別にアメリカに従属する日本をイメージしてしまいました。
それほどの評判なら私もと思っています。
by tochimochi (2016-08-30 22:22) 

夏炉冬扇

ゴジラ、観客多そうですね。
by 夏炉冬扇 (2016-08-31 07:28) 

のら人

二回も見られるとは、凄いですね。
他の感想等を読んでみても、かなり評価が高いです。^^
この映画から反原発、反放射能の新たな動きがあれば嬉しいのですが・・・。
by のら人 (2016-08-31 09:07) 

いっぷく

夫婦割引、お得ですね。
我が家もこれからは利用してみたいです。
by いっぷく (2016-08-31 21:58) 

伊閣蝶

tochimochiさん、こんばんは。
日本が米国の属国、というフレーズが頻繁に出てきます。
そのたびに私は胸苦しさを感じました。
日本の世界的な立場を強力なものにしたいとしている現政権が、なりふり構わず米国にすり寄る理由が私には分かりません。
そんなことも考えさせられました。
by 伊閣蝶 (2016-08-31 23:57) 

伊閣蝶

夏炉冬扇さん、こんばんは。
シン・ゴジラ、もう5週目に入りますが、観客数は衰えないようです。
by 伊閣蝶 (2016-08-31 23:58) 

伊閣蝶

のら人さん、こんばんは。
今のような上映形態になってから、再度観に行ったのは、この映画が初めてです(昔は劇場に居座って三回連続で観る、みたいなことをしましたが)。
この映画、仰る通り、反原発や反放射能という姿勢がかなり強烈に明確です。
多くの人はそのメッセージを受け取るものと信じたいところです。
by 伊閣蝶 (2016-09-01 00:01) 

伊閣蝶

いっぷくさん、こんばんは。
夫婦割引はかなりお得です。何しろ一人頭1000円なのですから。
シネコンには違和感がありますが、この価格なら価値はあるのかもしれません。
by 伊閣蝶 (2016-09-01 00:03) 

九子

伊閣蝶 さんが二度もご覧になったシン・ゴジラ。私も是非今週末にでも行って見たくなりました。
野村萬斎さんがゴジラ役なんて、誰が考えたのでしょう?
どんな動きをなさるのか、興味深深です。
言って頂かなかったらたぶん見逃していたと思うので、本当に有難うございました。
by 九子 (2016-09-01 00:06) 

伊閣蝶

九子さん、おはようございます。
野村萬斎さんの起用は、「のぼうの城」でも特撮監督を務めた樋口監督のアイデアと説得によるものだそうです。
萬斎さんも大変乗り気だったようで、それが画面からも伺えました。
宜しければ是非ともご覧下さい。
by 伊閣蝶 (2016-09-02 07:16) 

サンフランシスコ人

10/15 サンフランシスコのメキシコ街の映画館で上映..

http://www.roxie.com/ai1ec_event/shin-godzilla-godzilla-resurgence/?instance_id=14847
by サンフランシスコ人 (2016-09-21 06:36) 

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