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グルダ演奏「ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ&ピアノ協奏曲全集」 [音楽]

穏やかな天気となりました。

整骨院に腰の治療に出かけた帰り、街路樹の桜がだいぶ咲き始めているのを眺めたところです。
tubomisakura.jpg
これは幹の莟の部分ですが、なんだかこんな可愛らしい感じが好もしいところですね。

また、花ニラがたくさんの花を咲かせていました。
hananira.jpg
この可憐な花に出会えるのも、この時期の楽しみの一つです。

帰宅して、布団を干したり洗濯物を干したりした後、ちょっとゆっくりとしながら、フリードリヒ・グルダが1967年に録音したベートーヴェンのピアノソナタ全集を聴いています。

ピアノソナタ全集とピアノ協奏曲全集の12枚組CDで、HMVではなんと4000円弱で買えてしまいます。
しかも、リマスター版で音質もすばらしく、これはちょっとびっくりですね。

グルダに関しては、私の師匠である蚤助さんがご自身のブログで触れられています(#340: As You Like It…)。
大変示唆に富んでいて読み応えがあり、面白い記事ですので、是非ともご一読を強くお勧めする所以です。

グルダのベートーヴェンはレコードでは数枚所持しておりましたが、CDでは持っていなかったので、これを機会に購入しました。
久しぶりに聴いて、何という超絶的なテクニックなのだろうかと改めて感心したところです。
ワルトシュタインをこれほどまでに楽々と弾き切ってしまうのですから度肝を抜かれますね。
あのベートーヴェンのピアノソナタを、変に深刻ぶらずに「はい、どうぞ」と私たちの前に気軽に出してくれる、そんな感じです。
それでも、例えば「月光」のしっとりとした美しさはどうでしょう。
淡々と響きながらも、音の一つ一つが心の中に染み込んでくるかのようです。
余計な味付けが無い分だけストレートに心に響くのかもしれません。
7番の第2楽章「Largo e mesto」の美しさも筆舌に尽くしがたいものがあります。

どんなに軽々と早いパッセージで弾いていても、音を飛ばしたり落としたりというところが全く感じられず、緻密な演奏が繰り広げられ、なるほどさすがにあのマルタ・アルゲリッチが自ら望んで師事しただけのことはあるなと感じました。

ベートーヴェンのピアノソナタと言えば、古今の名演奏家が夥しい秀演を繰り広げています。
頂点に立つのは恐らくバックハウスでしょうが、ケンプ、シフ、ルービンシュタイン、内田光子などそれこそ枚挙の暇もありません。
ブレンデルの演奏は、その中でも独特の光を放っていると思います。

しかし、こうして全曲をリラックスしながら聴くことのできる演奏家はそうそういないのではないでしょうか。
何というのか、グルダ自身が楽しみながら演奏しているのではないかという雰囲気がひしひしと伝わってくるのです。
これを聴いていると、グルダが、既成のクラシック音楽に飽き足らず、ジャズに大いなる魅力を感じてそちらに走った理由がわかるような気もします。
音楽が、ピアノが、好きで好きでたまらない!
そんな彼の想いがびっしりと詰まった演奏でありました。

ピアノ協奏曲全集の方も、文句なしの秀演です。
ホルスト・シュタインが指揮するウィーン・フィルとの共演で、オケの音が良いことはもちろんヅケのうまいシュタインの元で、リラックスしながら弾いているかのような自在にして飛翔するがごとく自由な演奏は実に素晴らしい!
中でも三番は聴きごたえ十分です。

私にとって、ベートーヴェンのピアノ協奏曲全集の好みは、内田光子とザンデルリング&バイエルン響によるものが一番でした。

その位置関係に変化はないものの、このグルダ&シュタインは愛聴盤の一つになりそうな気がします。
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hirochiki

幹に咲く桜の花も、とても可愛いですね。
私も、そのような写真を昨年ブログにアップした記憶があります。
うちの近くに「桜のトンネル」と呼ばれているスポットがあります。
まだまだ3分咲きですが、今週末を楽しみにしています♪
ところで、胃閣蝶さんは、洗濯物やお布団まで干されるのですね!
うちのphirochikiは、料理は趣味でやってくれますが、
そういった分野はなかなかやってくれません^^;
それから、このような素晴らしいCDが今どき12枚組4000円弱で買えるなんて、嬉しいですね(^^♪
そういえば、子供の頃にベートーベンの伝記本を読んでとても感動したことを思い出しました。
by hirochiki (2011-04-03 07:48) 

伊閣蝶

hirochikiさん、おはようございます。
お近くに桜のトンネルがおありとのこと。
これは楽しみなことですね。
この蕾の街路も、それほど規模は大きくないものの桜のトンネルになります。
来週あたりが見ごろとなりましょうか。楽しみです。
ところで家事のこと。
拙宅では共働きですので、家事はお互いに手の空いているほうがやる、という形です。
仕事を持っている者にとって、家事はやはり負担です。
だから一方に無理がかかることは極力避けようと考えています。
家内がご飯を作ってくれている間に洗濯をしたりアイロンがけをしたりとか。
先日、hirichikiさんがお書きになっておられた、ありがとうの気持ち。
これがすべてなのでしょう。
お互いに「やってあげている」ではなく「やってくれてありがとう」という気持ちを持ち続けること。
これが大切かな、と。

このCD、グルダのベートーヴェンのレコードは一時市場から姿を消していたので、まさかこんな値段で再登場とは思いもよりませんでした。
ありがたい世の中になったものです。
ベートーヴェンの伝記。
あの方は生涯そのものが芸術みたいなものでありましたね。
by 伊閣蝶 (2011-04-03 09:20) 

節約王

幹に咲く桜の花!私も拝見しなんとも不思議で癒される気分になりました。とても可愛いです。

ベートーヴェンのピアノソナタ全集これも興味をそそります。ピアノソナタをTANNOYで聴いたらどんなにすばらしいか!想像しただけでわくわくしますね。伊閣蝶のブログを見ていると音楽を聴く姿勢、妥協なきインフラ!又、それをエネルギーとなさっておられるお姿に感心させられます。
by 節約王 (2011-04-03 22:40) 

伊閣蝶

節約王さん、こんばんは。
幹についた莟は、視線を下に向けないと気づかないので、華やかな枝の桜の花に比べると、仰る通りとても可憐に感じて癒されます。
それで私も心惹かれてしまうのかもしれませんね。

このピアノソナタをTANNOYで聴いたら、と思うと私もワクワクします。
横浜の自宅では300Bの真空管アンプでBOSEの501Xを鳴らしているのですが、帰省の際には持参しTANNOYで聴くつもりです。
今から楽しみでなりません。
ところで、インフラに関して言えば、やはり先立つものや居住環境の制約もあって妥協しまくり、というのが現状です。
それでも、出来る限りのことはしてみたいと思っておりますので、それが確かに一つの励みになっているのかもしれませんね。
節約王さんから温かなご評価を頂き、ますます力が湧いてきました。
いつも本当にありがとうございます。
by 伊閣蝶 (2011-04-03 23:29) 

Cecilia

ベートーヴェンは交響曲でも声楽曲でもなくピアノ曲が好きです。
昔はベートーヴェンが大好きだったけれど(単にあまり知らなかっただけだったのですが・・・)最近あまり積極的に聴いてないなあということで3年ほど前にブログでベートーヴェン特集をした私です。大作も良いですが、私は若い頃の軽快な作品が面白いと思いました。
ウィルヘルム・ケンプの身内であるフレディ・ケンプという若手の演奏によるベートーヴェンも良いです。
http://ml.naxos.jp/album/BIS-SACD-1460
http://ml.naxos.jp/album/BIS-CD-1120
by Cecilia (2011-04-06 04:29) 

伊閣蝶

Ceciliaさん、こんにちは。
ベートーベン、私も実は、ピアノ曲が大好きです。
物心ついたころに父に聴かせてもらった「月光」が、その後の私の音楽面での嗜好を決定づけたという事情もありますが、聴けば聴くほどに、彼がいかに天才的な芸術家であったかが直截に伝わってくるような気がしますので。
考えてみれば、ベートーベンはピアノ即興演奏のヴィルティオーゾとして名をはせたほどの人なのですから、当たり前のことかもしれませんが。
2008年9月のベートーヴェン特集の記事、拝読させて頂きました。すばらしい感性をお持ちだなと、改めて感嘆しております。
また、ピアノ曲などの小品に魅力を感ずる曲がある、という点は、私も全く同感です。
音楽というものは、少なくとも演奏するという喜びから鑑みると、身近にあるものの方により親近感が湧いてくる性格のものなのでしょう。
私は、演奏面では全く箸にも棒にもかからない者ですから、どうしてもレコードやCDの演奏に身をゆだねることの方が多く、その点は誠に忸怩たるものがあります。
若いころに試みたピアノのレッスンですが、今の震災関連での業務上の繁忙が収まった頃合いを見て再開してみようかな、などとも思っています。

ところで、フレディ・ケンプ。
私は初めて名前を知りました。
あのケンプのお身内とのことで、やはり血は争えぬものと実感しております。
SACDもあるので、またまた買ってしまいそうな予感です。

by 伊閣蝶 (2011-04-06 12:17) 

サンフランシスコ人

内田光子のCDの新発売情報...

http://www.broadwayworld.com/bwwclassical/article/Cleveland-Orchestra-Mitsuko-Uchida-Announce-Mozart-Piano-Concertos-Nos-17-25-Recordings-20161007

モーツァルト:ピアノ協奏曲第17番&第25番
クリーヴランド管弦楽団
内田光子 (指揮, 演奏)
by サンフランシスコ人 (2016-10-19 03:16) 

伊閣蝶

サンフランシスコ人さん、こんばんは。
貴重な情報をありがとうございました。
by 伊閣蝶 (2016-10-19 22:39) 

サンフランシスコ人

日本のモーツァルトのファンに、もっと内田光子を応援していただきたい!
by サンフランシスコ人 (2016-10-20 01:35) 

伊閣蝶

サンフランシスコ人さん、こんにちは。
同感です。
by 伊閣蝶 (2016-10-20 12:24) 

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