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晩秋の入笠山 [山登り]

10月も終わりに近づき、秋も深まってきた感があります。
高峰は徐々に雪化粧を施しており、山は晩秋から初冬の趣といったところでしょう。

この夏、入笠山に案内した友人たちから、「是非ともビーフシチューを食べたい!」とのオファーがあり、マナスル山荘本館に再来しました。

前回、時間の都合で歩けなかったテイ沢から大阿原湿原を回る周回コースを、今回は高座岩に立ち寄って、紅葉を楽しもう、というものです。

比較的落ち着いたお天気が続いていましたが、土曜日の朝はあいにくの雨。
しかし、そのおかげもあってか、週末の中央道にしては目立った渋滞もなく、快適に走ります。
と思ったら、甲府南と甲府昭和の間で事故が発生し、2km・30分という渋滞にはまってしまいました。

それでも10時前にはマナスル山荘に着くことができ、宿泊とお昼のビーフシチューを予約して、小雨の降る中を長谷村につながる入笠山林道を歩き始めます。
お昼ご飯のサービスは14時30分までとのことでしたが、まあ、時間的には余裕だろうと高を括っておりました。

林道わきの樹々にかかるサルオガセです。
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これほどに育っているサルオガセを見るのは久しぶりで、思わず目を見張ってしまいました。

紅葉もだいぶ進んでいました。
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しばらく行くと、「南無入笠観世音」と書かれた石碑がありました。
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登って行って確かめると、蛇をかたどったレリーフが祭られています。
縁起を読むと、昭和38年当時、この小黒川林道の工事を実施していた自衛隊員の夢枕に観世音菩薩が立ち「ここは私(観世音菩薩)が治めた地である。土を掘り起こし、私の神体である白蛇の姿を認めたなら粗略に扱わないように」といった趣旨のお告げがあった由。
そのお告げの通り、掘り起こした土中からこの白蛇のレリーフが出てきたので、工事や山里の安全祈願のために手厚く祀ったのである、とのこと。

小黒川林道は現在補修工事をしているようで、途中から車は通行止めになっていました。
30年位前に、この林道を車で走って戸台に向かい、甲斐駒に登ったことがあるのですが、その当時も、車で走るのには厳しい道でした。

法華道への分岐を見送り、林道の左側に小黒川が流れ、静かな林道歩きを続けていると、右に高座岩への指導票を見つけました。
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濡れて滑りやすい急登を稼ぐと林道に出て、そこにも指導票がありました。
「高座岩・法華道」と書かれた矢印の方向を、林道の先と勝手に思い込み、そのまま林道をたどってしまいました。
25000分の1の地形図には載っていない林道なので、法華道に続くのだと勘違いしてしまったようです。
左側に下る林道を二本やり過ごして緩やかな登りに転じてしばらくしたところで行き止まり。
右上に大岩があったので、あれを回り込むのかと、クマザサの藪の中を強引に登りますが、大岩の周辺で藪はさらに濃くなってしまいました。
どう考えても間違っていると思い、先ほどの指導票まで引き返しました。

注意深く、左側の尾根に至る踏み後を探しながら歩くと、何本かのタラノ木が紅葉しています。
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タラの芽の一本残しはちゃんと守られているんだなと、ちょっと感慨深くなりました。

さて、指導票のところまで戻って周囲を見ると、少し後ろに下がったところに右の尾根に回り込みながら登る踏み後がありました。
指導票では右の矢印になっていたので、完全に私の思い違いです。

踏み後に従って登ると、法華道に出ました。
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そこから一登りで高座岩につきます。
日蓮宗の僧である日朝上人が、見晴らしの良い岩峰を定めてそこで法華経の教えを講じたとされるところで、法華道の由来もそこからきているのでしょう。
眼前には木曽山脈が望まれます。
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私の勝手な思い違いのせいで、大変な道草を食ってしまいました。

小黒川林道に戻ってしばらく歩くと、橋を渡り小黒川を右に見るようになります。
そこからしばらくで、テイ沢分岐。
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25000分の1の地形図では、左側の尾根に登って大きく高巻く道が書かれていますが、実際には沢沿いに右岸・左岸とわたり返しながら進みます。
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透明度の高い穏やかな流れの中には魚影もあり、紅葉した樹々も相俟って、実に好もしい散策路となっていました。
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もちろん、沢沿いの道ですから、足場の悪いところや岩をへつる部分も時折出てきますが、いずれも何ということもなく進めます。

いくつかの橋を渡った時、獲物に出くわしました。
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誠に見事なもので、まさかこんなところに群生しているとは思いもせず、早速、ザックの中から行動食を入れていたポリ袋を出して、行動食を他に移したのち、獲物を少しばかり採取しました。

思わぬ余禄に頬を緩ませて歩いていくと、視界が開けて源頭の趣です。
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左側に威圧的な岩がそびえていました。
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大阿原湿原はクサモジミの最盛期。
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白樺の樹が点々とし、紅葉したカラマツが黄金色に輝いています。

大阿原湿原を後にして、車道をマナスル山荘に向かう道すがら、八ヶ岳方面の展望ポイントから富士山を眺めました。
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八ヶ岳の頂稜には雲がかかっています。
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マナスル山荘では、年に四回、ジャズのライブ演奏会を開いています。

今夜はたまたまその日に当たり、テナーサックスのジェントル山本さんをリーダーに、ベース:広目亮さん、ギター:矢羽佳佑さん、のお三方によるジャズトリオの演奏を楽しむことができました。
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ジェントル山本さんは、近々修行のためニューオーリンズに渡米するそうですが、彼はもちろん、あとのお二方も素晴らしい実力の持ち主で、お酒を飲みながら、久しぶりのジャズの生演奏を楽しむことができました。
「いそしぎ」などのポピュラーな曲における丁寧な編曲とアドリブの素晴らしさも忘れがたいものでしたが、何といってもウェス・モンゴメリーの「フル・ハウス」には痺れました。
この歴史的な超絶ライブのCDを私も所持していますが、久しぶりにその感動がよみがえる心地がしたものです。

演奏の合間、あまりにも月がきれいなので、八ヶ岳展望所まで散歩に出かけてきました。
富士見町はそれほど規模の大きな街ではありませんが、それなりに夜景もきれいに見えます。
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なかなか幻想的で、いい酔い覚ましになりました。

翌朝、5時前に起きて身支度を整え、入笠山山頂を目指します。
もちろん、「ご来光」を見るためです。

日の出は6時過ぎと見込み、5時前に起床。
5時15分くらいに山荘を出ました。

入笠山山頂での雲海は、恐らく麓も冷え込んでいるからでしょう、一部分しか起きていないようです。
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10月の終わりの山頂は、風はないもののさすがに底冷えがします。

6時を回るころ、金峰山の右側が金色になってきました。
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ご来光です。
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この景色はいつ見ても嬉しくなりますね。
陽が昇ると、ありがたいことに体が暖かくなってきました。
太陽の光のすごさに圧倒されてしまいます。

朝の光の中の富士山です。
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入笠山の山頂にはたくさんの人たちがいました。
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槍・穂高連峰も朝日に輝いています。
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さすがに冠雪していますね。

木曽山脈です。
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カラマツが朝日に輝いています。

仙丈岳・鋸岳・甲斐駒・北岳・鳳凰三山などです。
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荘厳な眺めをたっぷり楽しみ、下山しました。

ひかげの斜面は霜で真っ白けです。
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山荘で、ボリュームたっぷりの朝食を頂き、今回も大満足で帰途につきました。

そうそう、例の獲物ですが、帰宅して早速汚れなどを取り、酒とみりんと醤油で煮びたしにして、大根おろしをかけて食べました。
体調のすぐれない連れ合いを気遣って、実家から連れ合いの妹が来てくれていたのですが、二人とも、「あたるといやだから」といって食べません。
野生のエノキダケなんて、そうそうは見つからないんだぞ、と勢い込んだのですが、どうも信用してもらえないようです。
結局私一人が、市販のもやし・エノキとは全く別物の、薫り高く歯ごたえの素敵なエノキダケの煮びたしを楽しんだのでした。

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金木犀と台風 [日記]

台風24号が関東に接近する前に、とりあえず必要なものを買っておこうと、ウォーキングがてら買い出しに出かけました。
朝のうちは怪しい雲もありましたが、昼前からは晴れ間も出て、風も穏やか。
台風が間近に迫っているような雰囲気は感じさせません。

金木犀の香りがそこかしこから漂うようになりました。
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この花たちも、台風の暴風雨を受け、きっとはかなく散ってしまうことでしょう。
なんだか無残な気持ちもしました。

連れ合いのことなどもあり、週末に山に行くこともままならない日々が続いています。
そんな無聊を慰めてくれるのが、近所の里山歩きなのですが、今年は結構獲物(キノコ)が豊作です。
もちろん、松茸やホンシメジといった貴重な獲物には出会えず、いわゆる雑キノコですが、タマゴタケ・ナラタケ・イグチ類・アミタケなどが得られます。
ただし、例の白い笠をかぶった、見た目は食べられそうな毒キノコもかなりあるので注意が必要ですが。
先日、これらを中心にまとまった量の雑キノコをゲットし、一部を塩で煮て冷凍しておきました。
どうやって食べようかと思案中です。
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ところで台風24号、予想通り日本列島各地に深い爪痕を残しました。

私の自宅では、昨晩の1時過ぎに停電となり、復旧はお昼過ぎとなりました。
山道具としてヘッデンやランタンがあるので、暗闇は何とかなりましたが、水が出ないのにはまいりました。
もちろん、飲み水や生活用水はある程度確保していたのですが、御手洗のことを失念していたのです。
幸い、水洗タンクに外部から注水できるタイプだったので、風呂の残り湯を用を足す都度補給し何とか事なきを得ましたが、真っ暗な御手洗の中でヘッデを点けながら用を足すのは何だか山小屋にいるみたいでちょっとおかしくなりました。

また、ガスは問題なく使えたので、煮炊きはでき、これもラッキーでした。
尤も換気扇が使えないので、焼き物や炒め物はできませんでしたが。

いずれにしても、オール電化でなくて本当に良かった。
日頃、水やガスや電気を、そこにあるのが当たり前のように思って使っていましたが、都市においては、電気が止まるだけで水も出なくなり、場合によっては食物の煮炊きすら不可能になる危険性がある。
頭ではわかっていましたが、実際にそういう目に遭うと、その脆弱性がにわかに現実味を帯びてきますね。
オール電化は一時ほどもてはやされなくなっているようですが、そうしたリスクに気付くユーザーが増えている、ということかもしれません。

電気を中心に置いた利便性の向上は、こうした災害時にはもろに脆弱性を曝け出すようです。

テレビのCMなどを見ていると、EV車がトレンドみたいな扱いをされ、人気を博しているような錯覚に陥りますが、街中でしばしば見かけるなどいうことは、少なくとも私にはありません。
アウトランダーPHEVはそれなりに見かけますが、あれは駆動系に内燃機関を持っており、電気一辺倒ではないからでしょう。
その意味で、ハイブリッド車を多く見かけるのは非常によく理解できます。

オール電化やEV車を「エコ」などと表現する場面に出会うこともありますが、これも私は大いに疑問を感じています。

発電された電気が家庭などに届く間には相当のロスが発生することは、その構造上自明の理であり、発電所から変電所そして家庭までの送電の間にその電力の大半を喪失してしまいます。
原子力のように、いったん稼働を始めれば次々に核反応によるエネルギーを(燃料なしに)生み出す、というおとぎ話の世界ならいざ知らず、現在、発電の中心となっている火力では膨大な化石燃料がそれによって費消されます。
その燃料となっている石油やガスをそのまま使ってエンジンを駆動させる方が効率的であろうことは、少し考えればわかることなのではないでしょうか。

これはIHにも言えることでしょうが、たとえ熱効率などの高い製品であろうとも、そのエネルギーのもとが火力発電なのであれば、その電力を作り出す際のCO2の排出量など観点からして、環境にやさしいなどと短絡的に捉えるのはいかがなものでしょうか。
また、原子力によってそれを解決するという夢物語は、福島第一原発事故によって木っ端微塵に吹き飛んでしまいました。

私たちは、あまりにも電気に頼りすぎる生活を見直し、電気の生み出す利便性を享受するという安直な態度から少しずつフリーになる必要があるのではないか。
今回の台風と停電から、改めてそんなことを感じた次第です。

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